仕事には、うまくいく時もあれば、いかない時もあります。
特に、うまくいかない時に周りから色々と指摘され、どうして良いかわからなくなってしまうこともあるでしょう。
「課題が山積みだ…」と感じてしまうかもしれませんが、少し考え方を変えるだけで、多くの可能性が見えてきます。
今回は、そうした課題や不安を減らしていくための思考法について解説します。
①まずは「すべてを理解する」と決める
新しいことに取り組むときにはまず、参考書や基準書を読んだり、人に聞いたりして勉強することから始めることが多いと思います。
その際に初めてだからとわからないことがあっても仕方ないと思ってしまいがちですが、そこで思考の起点を「全てを理解するにはどうするか?」という意識を持ってみると見え方が大きく変わります。
「よくわからないから、いったん保留にしよう」と考えるのではなく、「なぜだろう?」「どうしてだろう?」という探求心に繋がっていきます。疑問が具体的な問いに変わることで、何を考えれば良いかが明確になり、課題解決が進むのです。
もちろん、意識を変えただけですべてを理解できるわけではありません。しかし、この姿勢から重要な変化が生まれます。
これまでは、自分が理解しやすい部分や必要だと判断した部分など、ごく限られた範囲しか見ておらず、思考が広がっていなかったことに気づきます。特に効率を意識しすぎると目先的な読み取りになりがちです。
また、「どうすれば理解できるか?」と多角的に解釈しようとする工夫が生まれます。この思考は特に専門的な知識に対して有効で、このようにして本質的に理解したことは、誰かに伝える際にも、分かりやすい言葉で説明できるようになります。
②異なる課題に潜む「共通の本質」を見抜く
全てを理解することを考えていると、一見すると別々の問題に見えていたことが、本質的には「同じこと」だと捉えられるようになってきます。この思考ができるようになってくると課題や不安なことなどを大きく減らすことができるようになっていきます。
この思考がないと、「何をしても指摘される」「自分はできないことばかりだ」と感じ、課題が無限にあるかのように思えてしまいます。
その結果として不安や多忙感、どうしてよいかわからないといった思考に陥ります。
例えば、「資料作成が遅い」と「プレゼンが分かりにくい」という2つの指摘を受けたとします。これらは別の課題に見えますが、本質を考えると「情報を整理し、要点を抽出する力」が不足しているという、たった一つの課題に行き着きます。この本質に気づけば、要約力を鍛えるという一つのアクションで、両方の問題を解決に導けるのです。
そこまで思考が至れば、向き合うべき課題の数が一気に減り、複数の業務で同時に成果が上がるようになります。このように、違う課題の中でぶつかっている壁は、本質的には同じであることがよくあります。
③他者の経験を「追体験」し、応用力を手に入れる
次の段階としては、自分が経験していないことも取り込みつつより広い対象の課題を構造化できるようになっていきます。
例えば、本で読んだ内容や誰かに聞いた内容に対して追体験ができるようになったり(仮説を立てつつ再現ができるようになる)、人材育成場面でもより普遍的な部分からの指導ができるようになっていきます。
追体験というのは非常に重要です。なぜなら、追体験ができないと相手の作業手順もイメージできず、的確な指示や依頼ができないからです。その結果、なんでも自分で抱え込むことになり、づぐに限界が訪れてしまいます。
人材に関する課題も同様です。一見、個別の問題に見えても、掘り下げていくと多くの人に当てはまる普遍的な課題であることがほとんどです。そこまで構造的に理解できれば、その知見を他の人の育成にも活かせるようになります。
あなたのことを、あなた以上に理解しているような人に出会った経験はありませんか?
普段からこことここが実は繋がっていたのか!といった発見が出てくるようになるので、技術的なことも、人のことも知ることが楽しくなります。
まとめ:成長を加速させる本質的思考法
今回は、山積みに見える課題を乗り越えるための思考法を3つのステップで解説しました。
- 「すべて理解する」 という意識で物事の解像度を上げる
- 一見違う課題の 「共通点」 を見抜き、本質的な課題を特定する
- 他者の経験を 「追体験」 して、自分の力として応用する
この思考法を身につけることで、目の前の仕事だけでなく、人材育成など、あらゆる場面で活かすことができます。
まずは、今あなたが抱えている一番大きな課題について、「なぜだろう?」「他の課題と共通する部分はないか?」と考えてみることから始めてみませんか。その小さな一歩が、成長を大きく加速させるはずです。
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