入社してすぐの時には、わからないことがあったらどんどん質問するように言われると思いますが、本当にこんなことまで質問してもいいのか?と思うことがあると思います。
確かに何も考えずに丸投げな質問は相手にとっては失礼になりますが、自分なりの考えを持って質問をすることをどんどん実践していくことは良いことです。
わからないことをそのままにして、誤った方向に向かって言ってしまうことの方が周囲にも迷惑をかけることになってしまいます。
今回は質問をしやすくなる考え方や成長に繋がる質問の仕方について書いていきます。
①「質問=できない」は間違い!質問を成長のエンジンにしよう
質問をすることの意味は大きくは2つあると思います。
一つ目は新しい知識の習得、二つ目は自分のできない部分を自分以外の人と共有できるということです。
一度疑問に思ったことを考えて答えを知ることは、一方的に知識を教わるよりも頭に残ります。成長していくためには一度限界まで自分の頭を使ってから質問する必要があります。
些細なことにも疑問を持つことは重要な思考になります。(指導者の視点ですが)人材育成の観点からは、すぐに答えを教えず、「なぜ?」と徹底的に問いかけます。なんでその質問をしたのか?その答えを受けてどうなるのか?時には、答えだけを求めているような思考停止の質問は、差し戻すことも必要です。
参考:構造設計者(エンジニア)は未知課題に謙虚に向き合うことが不可欠
二つ目については社内でのイメージが強いですが、なかなか質問のできないときに「質問すること=仕事ができない」と思っている可能性があります。質問をせずに自分勝手な判断で進めてしまった方が結果的にはみんなに迷惑をかけることになります。わからないことは素直に質問しましょう。
指導する側の立場になるとわかりますが、指導する側は、すべてがすんなり進むような簡単な課題ばかりを設定するわけではないので、なんの質問もなく進めていると心配になります。周囲の力も借りて課題を進める力を身に着けてもらうことも意図しているので、状況共有も兼ねてきちんと質問していきましょう。
②答えを予測して準備する!質問の質を高める技術
質問の仕方は、「①わからないから何でも聞く」という段階から、「②疑問の背景と自分なりの仮説を伝えて質問する」という段階へと進化させていく必要があります。
物事を前に進めるという目的があり、その手段として質問があるのです。質問を受けたときに、それを聞いて何に繋がるのだろうか?と思うようなものもあります。
質問をするというのは相手の時間を使って答えてもらうことになるので、そのように思われてしまう質問は失礼だし、そのような状況では良い答えも返ってきません。
質問をする前には必ず相手がどのようなことを返してくるかを予測することが重要になります。それを考えることで、こちらから提供する情報に不足はないか、そもそも質問する相手は適切かといったことを考えて質問するための事前準備の精度も高くなり、結果として得られる質問の答えの質も高くなります。
③「また教えたい」と思われる!質問力で仲間を増やす方法
前述したような、しっかりと準備した質問をしていくと、質問された側にとっても勉強になったり、答えることが楽しくなってくることがあります。
的を得た質問をすることは、相手が共感しやすくなるということでもあります。
高度なことや専門分野になればなるほど自前で答えを出せるものは少なくなっていきます。
建築設計は、多くの専門家が関わる職種です。そのため、普段からなんでも相談できる仲間がたくさんいるということはとても武器になります。
専門的な知識は非常に価値が高いため、専門家が自分の時間を割いて、面識のない人に無償で教えることはまずありません。
まずはお願いして、教えてもらう機会を作ることから始めますが、その少ないチャンスでまた答えてあげたいと思ってもらうには、的を得た質問をすることが不可欠です。
そういった質の高い質問は、付け焼き刃でできるものではありません。普段から課題意識を持って思考しているからこそ、緊張する場面でも繰り出せるのです。
単純に自分の知りたいことを教えてもらうといったことだけを考えるのではなく、より大きな視点を持って質問力を磨いていきましょう。
まとめ:成長を加速させる質問の3ステップ
今回は、あなたの成長を加速させ、信頼される仲間を増やすための「質問力」について解説しました。
- マインドセット: 「質問は成長のチャンス」と捉え、臆せず聞く。
- テクニック: 丸投げせず、「仮説」を持って質問し、質を高める。
- 人間関係: 相手への配慮を忘れず、質問をコミュニケーションの武器にする。
まずは次の質問の前に、「この質問で、相手に何を伝え、何を得たいのか?」を10秒だけ考えてみてください。その小さな準備が、あなたの評価を大きく変えるはずです。
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