【一級建築士】【わかりやすい構造設計】~間違え探し解答

【一級建築士】

構造設計に関連する間違え探しの回答です。問題はXで配信しています。

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【解答】間違え探し①(到達モーメント)

固定端へのモーメントの到達率は1/2となるので柱頭のモーメントが2.0Moなので柱脚のモーメントは1.0Moが正解になります。

【解答】間違え探し②(節点の釣合い)

節点のモーメントは釣合うので節点のすべてのモーメントの合計が0になります。なので、梁の端部のモーメントの向きが柱のモーメントとは逆向きになるのが正解です。

【解答】間違え探し③(山形ラーメン剛床)

山形の場合に剛床仮定ではなく非剛床仮定にして計算しないと、本来であれば屋根梁からの軸力で屋根が開く方向に変形するはずが水平方向の変形が拘束されてしまいます。非剛床仮定として水平変位が発生しているモーメント図が正解になります。

詳細解説:構造解析のモデル化の基本~剛床仮定とはなにか/非剛床の事例

【解答】間違え探し④(単位重量)

地震力を算出するためのベースとなるのが各層の重量ですが、今回は一般的なRC造の想定ですが、wi/m2が5kN/m2と非常に小さい値になっています。RC造の建物であれば一般的な目安としてはRC造:12~16kN/m2くらいになります。当然状況によっては多少異なりますが、5kN/m2では明らかに小さいことがわかります。150mmのスラブが3.6kN/m2なのでほぼ床荷重分になってしまいます。
一貫計算でモデルに入力した後に詳細を確認する前に荷重のオーダーに間違えがないか確認するようにしましょう。

※その他の構造の参考値:S造:7~9kN/m2 W造:3~5kN/m2
参考:【わかりやすい構造設計】応力図の読み方・書き方・チェックの視点①

【解答】間違え探し⑤(吹抜け部の剛床)

間違え探し③(山形ラーメン剛床)の問題と同様に、変形が異なる箇所は非剛床にする必要があります。剛床のままで計算してしまうと吹抜けがあるにも関わらす、一体の床で繋がっているときとのように変位量が同じになってしまいます。その結果部材が取りつかない箇所でモーメント図に折れ点が生じてしまいます。

詳細解説:構造解析のモデル化の基本~剛床仮定とはなにか/非剛床の事例

【解答】間違え探し⑥(剛域)

壁の取りつく個所の剛域長さについては、柱梁の剛性に関わる重要な要素になります。ただし、一貫計算の中で図面通りの壁条件を正しく入力したからといって、計算が必ずしも意図通りになっているとは限りません。

今回のモデルのように1スパンの中に複数の開口が入る場合には意図してない剛域長さになっている可能性があるので注意しましょう。本来は腰壁高さ分の剛域を考慮する必要がありますが、左端に別の開口があることで一貫計算上では腰壁の剛域がないものとなっています。適正に個別補正をしましょう。

参考:構造解析のモデル化の基本~線材モデルについてとモデル化の目的

【解答】間違え探し⑦(トラス梁剛床)

層をまたいでトラス梁をモデル化する場合には、軸変形を考慮する層については剛床を解除する必要があります。剛床にしていると軸変形が考慮されないため変形が小さくなってしまいます。

参考:構造解析のモデル化の基本~剛床仮定とはなにか/非剛床の事例

【解答】間違え探し⑧(ひび割れ・接合部)

水平力によるひび割れ位置についてですが、RCは引張力に弱いので曲げモーメントの引張側にひび割れが入ります。なので、上図のようなモーメント図とセットで考えると柱梁のひび割れ位置を想定することができます。

参考:モーメント図の読み方

今回の問題での間違えは接合部でのひび割れの向きになります。
接合部のひび割れの向きは通し部材になっている柱や梁の引張鉄筋から力をイメージするとわかります。2層目部分の柱の応力に注目すると柱脚部分は左側が引張り鉄筋、柱頭部分は右側が引張り鉄筋になります。少し極端な絵になりますがどちらの向きにひし形になるかがわかると接合部のひび割れの向きもわかってきます。

参考:RCの材料的特徴

このことから接合部では柱梁からの曲げモーメントをどのように伝達していて、どのような応力が発生しているかが見えてきます。健全な接合部があることで柱梁も想定の耐力を発揮することができます。

※参考:接合部の解説記事は後日公開

構造設計をわかりやすく解説しているのでよかったら他の記事も読んでいってください。

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